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現在の精神医学の世界において、うつ病は「気分障害」というカテゴリーの中に分類されています。

また、うつ病そのものは、その症状の多様性から、様々な種類のうつ病があると分類されています。

うつ病の種類には様々な分類法があるということですね。

少し詳しいことを述べれば、うつ病の分類方法には、精神医学の先端を行く米国精神医学会によるDSM-5という基準、そして世界保健機構(WHO)の作成しているICD-10(これは、国際疾病分類第10改訂版と呼ばれるものです)という基準があります。

このページでは、主に後者(ICD-10)に添い、うつ病の種類と症状についてご紹介したいと思います。

ICD-10の示す「うつ病エピソード」について

うつ病には、多くの種類が存在しているため、国際基準のISD-10では、うつ病については「うつ病」と呼ばず、「うつ病エピソード」と呼びます。

そして、以下に挙げるような症状がみられる場合を「うつ病エピソードがある」と診断しています。

  • 2週間以上にわたる抑うつ状態の継続。
  • 今までに、気分が高揚する躁状態だと診断されたことがない。
  • 精神作用に影響を及ぼす物質や、臓器もしくは組織の異常がうつ病の原因と関係していない

さらに、この症状にプラスして、抑うつ状態の重さや程度、幻覚・妄想などという精神病の症状を伴っているかどうかということで、うつ病エピソードの類型を「軽症・中等症・重症」に分類します。

メランコリー型うつ病とは?

うつ病の大分類では、うつ病という病気を

  • 抑うつと呼ばれていた「単極性障害」
  • 躁うつと呼ばれていた「双極性障害」

の2つに定義しています。

単極性障害は、簡単に言えば気分が落ち込んだ「抑うつ状態」が続く病気です。

「大うつ病」とも呼ばれます。

対する双極性障害は、以前「躁うつ病」と呼ばれていた病気で、気分が高揚する「躁状態」と抑うつ状態が交互に現れる病気です。

これら比較的症状が分かり易く、定義がはっきりしているうつ病を総称して「メランコリー型うつ病」とも呼びます。

ただ、この症状に当てはまらないこともあるので、その場合は、これらに適合しない類型、または詳細不明な類型に分類しています。

そして、うつ病ではありそうでも、典型的なものではない場合は「その他のうつ病エピソード」というものになりますし、この「その他のうつ病エピソード」というものは、うつ病と気づかれにくいものもあるので、診断がやや困難になってきます。

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新型うつ病と総称される「その他」の非定型うつ病とは?

メランコリー型うつ病のように、精神的な症状が長く続くものだと早くに「うつ病です」と診断がつきますが、最近になって、「非定型うつ病」と呼ばれる新しいタイプの「診断されづらい」うつ病が認知され始めました。

このタイプは、一般的なうつ病の症状とは現れ方が異なり、感情的には通常の反応を見せたり、食欲増進や体重増加を伴ったりする事もあるので、うつ病とは診断されないで治療が遅れるケースもあります。

下記に紹介しているものが、その他のうつ病とされている「非定型うつ病」のエピソードに分類されるものの代表となります。

仮面うつ病

症状が認知されづらいうつ病のなかの代表的なものに「仮面うつ病」という厄介な症状のうつ病があります。

最初に表れてくるのが「精神的な症状」ではなく「身体的な症状」であるうつ病。

この場合表面上は仮面をかぶったように、うつ病特有の精神障害は現れません。

身体的な症状に隠れて、精神的な症状が見えにくいため、こう呼ばれています。

症状として先に現れるのは、胸部の圧迫感・睡眠障害・自律神経失調症・食欲の減退・全身の倦怠感など身体的な不調です。

病院で診療しても原因は良く分からず、治療もほとんど効果がありません。

そのまま進行して初めて、うつ病だと診断される事が多いようです。

非定型うつ病

通常は、うつ病と言えば抑うつ状態が2週間以上続くのですが、この非定型うつ病では、何か楽しいことなど、プラスのきっかけがあれば、一時的に精神状態が好転することがあります。20~30代の若者に多いとされています。

退行期うつ病

老年期の始まりに起こってくるうつ病の症状。

この年代は、社会的立場や環境の変化が主な要因となって発症します。このうつ病になってしまう人の年代を反映して「初老期うつ病」と呼ばれることもあります。

女性の場合は、更年期に増えてくることもあり、「更年期うつ病」と呼ばれることもあります。ただ、女性の場合は、社会的な環境の変化だけでなく、女性ホルモンの減少によって起こるという物理的な要因が大きいと思われます。

産後うつ病

「産後うつ病」は、出産後2~3週間で発症する事が多く、育児によるストレスやホルモンバランスの変化が原因に挙げられます。

喪失うつ病

「喪失うつ病」は、大切な人を失ったショックから発症する病気です。「ペットロス症候群」もその1つです。

昇進うつ病&リストラうつ病

仕事に生きる男性を中心に発症するのが「昇進うつ病」や「リストラうつ病」です。

その他の新型うつ病について

他にも「閉経期うつ病」「高齢者うつ病」、他の病気で投与された薬剤が引き金になる「薬物性うつ病」など、一般人から見るとほんのささいに思える事が、うつ病の原因になる事が分かります。

付け加えておくと、「季節性うつ病」「引越しうつ病」といった、他の病気には見られないケースでもうつ病にはなり得ます。

これだけ細かく種類が分けられている事は、様々な原因が直接的にうつ病の扉を開けてしまうからでしょう。

それだけ現代人の誰もが陥りやすい、恐ろしい病気がうつ病なのです。

うつ病の症状に関して

先の項目で、うつ病には様々な種類があるとお伝えしました。

そして、それぞれのうつ病には、その特徴として、病気が発症する時期や、うつ状態に波が生じやすいことも、少しだけお伝えしてきました。

うつ病には、このように種類や症状に違いがあるのですが、それでもベースとして見られる症状というのも存在し、それらがあるからこそ「○○うつ病」と称されるようになるのです。

ここでは、どのうつ病についても一般的にベースとして見られる症状をご紹介します。

身体的な症状

  • 身体の重さ・怠さが抜けない
  • めまいがよくする
  • 頭痛や頭重感の継続

精神的な症状

  • やる気が出ない
  • 集中力の欠如
  • 仕事などの能率が著しく落ちる
  • 希死願望が強くなる
  • 趣味や興味のあったことを楽しむ気持ちがなくなる
  • 些細なことで激昂するまたは落ち込む

これらの症状が長期間消えずにみられた場合、うつ傾向が高いと言えます。

ただ、これらの症状があるだけでは、どういったうつ病かはわかりません。

しっかりと専門家を訪ねて、適切な処置をしてもらい、ゆっくりと治療に取り組むようにしていきましょう。

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うつ病対策のためにできること

うつ病対策のためにできること

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