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ストレスフルな現代において「うつ病」というのは決して他人事ではない病ですね。

最近では「新型うつ」という症状も出てくるなど、一口に「うつ病」と言っても、その種類や症状は人それぞれであることも多いのが事実です。

しかし、うつ病が「病」である以上、どんな人にも同様に表れてくるベースの症状というものはあります。

ただ、病名の中に同じように「うつ」という言葉が入っていても、「抑うつ病」と「躁うつ病」では、周りに見えてくる症状も異なりますし、それに伴う周囲の人の接し方も変わってきます。

ひとまとめに「うつ病」と呼ばれる病気は、実際には細かく分類される複雑な病状の総称なのです。

うつ病は大別すると「抑うつ(単極性障害)」と「躁うつ(双極性障害)」に分類されます。

この2つの違いは、持続的なうつ状態の現れ方の違いによるものです。

ここでは躁うつ病と抑うつ病についてわかりやすくご紹介していこうと思います。

躁うつ病の疾患名は「双極性障害」という

双極性障害とは一般的に「躁うつ病」と呼ばれる病気です。

特徴としては「躁」と定義される、感情的に高揚した気分の良い状態と、うつの状態が交互に訪れる症状が見られます。

躁うつ病、イメージとしては「とってもハイな状態」と「とっても落ち込んだ状態」を繰り返す…というのが一般的なこの病のイメージではないでしょうか。

確かに、とってもざっくりした見方をすれば、このイメージはあながち大外れ、というものではありません。

しかし、実際は躁状態の「ハイ」はただ気分が良い「ハイテンション」ではなく、また躁うつの「うつ」状態も「ハイテンション時に比べて暗い」という程度のものではありません。

躁うつ病は、精神疾患のカテゴリでは通常の「抑うつ病=うつ病」と同じ「気分障害」に入る病で、原因としては、人間の気分をコントロールするホルモンの分泌や、脳の中の気持ちの制御をする部分の機能低下が引き起こす病です。

ゆえに、一時的な気分が引き起こす、一過性のものではありません。

例えば、「愛犬が子犬を産んで、嬉しくてハイテンションになったが、子犬のうちの1匹が病気で亡くなってしまい、数日間とても気分が落ち込んだ」というような一過性で起こるような気分の振れではない、ということです。

ではどのような症状が躁うつ病の「躁」と「うつ」なのでしょうか。

まず、躁うつ病の気持ちの振れ幅は、この病でない人の振れ幅の10倍以上と言われています。

通常の人が、日常で感じる感情の振れ幅が「-5~+5」という幅で起こるのであれば、躁うつ病の人の振れ幅は「-50~+50」という幅になります。

しかも、この振れ幅について、自分自身で感情をコントロールすることができないのです。

ですので、通常の人がちょっとラッキー!と思うこと(例としてはカフェで次回の割引券をもらえたとか)が躁状態の時の人には、これからの人生、何もかもがうまくいくのではないかと思えるようになって、このラッキーがきっかけで、とても大きな気持ちになり、通常では考えられないような高額の買い物をしてしまったりするわけです。

そしてこうした躁の状態がしばらく続いた後(この躁状態の継続期間には個人差があるので一概に○日ということはできません)急に沼の底にいるような「うつ状態」がやってくるのです。

そう、これも自分では気分をコントロールできないままに、突然に。

そして一旦「うつ状態」に入ってしまうと、石につまづいたような些細なことですら、自分の人生は何もかもうまくいかない、と思うようになってしまうのです。

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躁うつ病の種類

この躁うつ病は、躁状態の程度から更に2つに分けられます。

医学上のカテゴリで1型と2型があり、その型によって、躁状態の症状が異なってきます。

1型躁うつ病の「躁」状態

1型躁うつ病は「双極1型障害」と言います。躁の状態がかなり激しいタイプです。

1型の躁状態は、多くの場合、非常に良い気分が続き、やる気にも溢れ、自分の人生が絶好調に思えるようになります。

気分的にかなり高まった状態で、やる気もあり仕事に対するモチベーションも高いのですが、集中する事ができず、時にはひどく感情的になって怒ったり、説明の付かない行動に走ったりします。

それでも本人に病気だという意識はありません。

そしてその「絶好調感」から様々なことに手を出すようになります。

ですので自分では何でもこなせているようで、実際は全てが中途半端になっており仕事ははかどることはありません。(でも躁状態の時にはそうしたマイナスの面には気づきません)そして大変ハイテンションの状態なので、何日あるいは何週間も不眠不休で活動をしたりします。

これは脳内のホルモンの分泌異常によってこのような行動がとれるわけです。

1型の躁状態は、非常に感情が高ぶっている状態と同様であるので、些細なきっかけで激昂することも多く、その感情の高ぶりが暴力になったり、性的逸脱行為になることもあります。

深刻なものではひどい妄想・幻聴・幻覚を感じていることもあり、「自分は神に選ばれた」とか「天からの指令で総理大臣になれと言われた」として考えられない行動に出る時もあります。あまりにひどい場合は入院が必要になるケースもあります。

ただ、1型の躁状態は、躁状態の時のことをすっかり忘れてしまうことも多く、家族は精神的に疲労困憊になることがしばしばです。

もちろん、過度の躁状態が訪れた後には抑うつの症状がやって来ます。

2型躁うつ病の「躁」状態

2型躁うつ病は「双極2型障害」と言います。Ⅰ型ほど躁の状態が激しくない軽度のタイプです。

2型の躁というのは、比較的軽度の躁状態なので、社会活動が営める程度の躁状態ということが多いのが一般的です。

1型のように激しい怒りや妄想・幻覚などがでてくることはほぼありません。

しかし眠らなくても平気であったり、気分は常に陽気で、周りとも饒舌に交流をし、通常の当人よりの様子とは少し異なります。

楽しいお酒にほろ酔いの状態、といったところでしょうか。

人によっては、家族が聞いてなかった事業を始めようとしていたり、普段はしないギャンブルにお金をつぎ込むこともあります。

一般的に2型躁うつ病は生活に支障を来すほどではありませんが、そのままにしておくと、上記のように1型に近い行動に至るケースもあります。

そして躁状態を過ぎると、抑うつの状態に移行します。

1型と2型のどちらのタイプも、傍から見ると普通の状態ではないため社会的信用や人間関係を失う要因にもなりかねません。

治療をしないままでいると、躁とうつのサイクルが短くなる傾向もあり、またどちらでもない正常な状態を伴うケースもあります。

抑うつ病と抑うつ状態

単極性障害とは、一般的に「抑うつ病」と呼ばれる病気です。

抑うつ状態とは簡単な言葉で表せば「落ち込んでいる」という様子のことです。抑うつ病は、落ち込んだ状態のみが継続する病気です。

精神的・肉体的ストレスなどが原因となり、気分的に落ち込む時は誰にでもあり得ますが、うつ病の場合はその落ち込んだ状態が長期的に持続してしまいます。

これも、病としての「抑うつ病=うつ病」の場合は、自分自身の力ではこの気分をコントロールすることができないものなので、ただ抑うつ状態であるということとは異なってきます。

これは単純に感情の問題では片付けられず、脳内の神経伝達物質に異常を来す明らかな病気です。

主な症状としては、感情の落ち込みが長期間続く、睡眠不足や過眠などの睡眠障害になる、食欲不振になり体重が減少するなどが多く見られます。

憂鬱な状態が長く続くため、何事に対してもやる気が起こりません。

徐々に仕事や生活そのものに支障を来すようになり、自分自身に嫌悪感を抱いたり、自信を完全に喪失してしまったり、更に気分的に落ち込むようになります。

そのまま悪化すると正常に思考する事も困難になり、自殺などの危険な行動に至るケースもあります。

ただ、うつ病については、真にうつ病と診断をされるまでに「抑うつ神経症」と診断をされることも多いのが一般的です。

さらに、抑うつ状態がある、ということだけで言えば「依存症」や「摂食障害」「統合失調症」にも抑うつ状態がみられる為、この状態があるというだけで「うつ病」と診断をされるかと言えば、そうとはいかない時もあります。

とはいえ、抑うつ状態が継続するようであれば、何らかの精神疾患になっていると思われますし、その状態が悪化していくようであればきちんと医療機関で診断を受け、治療に向かう必要がありますので、ひとまず抑うつ状態が続くようであれば、専門家に相談をするのが大切です。

自分の気持ちの落ち込みは大丈夫かな?と思う人、または周囲にあの人の気持ちの落ち込みが心配だ、という人がいれば、以下のチェック項目を読んで、当てはまるものが多ければ、専門家をたずねてみてくださいね。

  • 以前は楽しめていたことが楽しめなくなっている
  • →これが「何もやる気が起きない」状態になってきたら注意が必要です

  • 眠気は常にあるが、実際に床に就くと眠れない
  • →眠れない日がどんどん長く続くと気分の落ち込みが深くなります。続くようなら気を付けて。

  • 身の回りが荒れてくる
  • →ごみが捨てられない・衣服が着替えるのが億劫・女性は化粧や髪の毛の手入れができない・整理整頓ができなくなるといった状態がひどくなると、うつ状態が悪化していきます。

  • 人と会えなくなる
  • →深刻になると、気の置けない人にすら会えなくなり、引きこもるようになります。

上記のような状態がみられ、さらにその状態が継続していくことを放っておくと、うつ病である場合は症状が深刻化し、ついには人生に何の期待も持てず死を望むようになってしまいます。

うつ病の原因や症状は複雑ですが、そのまま放置せず適切な治療を受ければ治療をすることが可能です。

本人や周囲の人が明らかな病気だと認識して、病院でしっかりと治療を受けることが大変重要です。

抑うつ状態が続いているということは、うつ病ではなくても、何らかの気分障害があったり、精神疾患の前触れである場合が多いわけですから、躊躇わず、専門家の門をたたきましょう。

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うつ病対策のためにできること

うつ病対策のためにできること

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